東京高等裁判所 昭和37年(ネ)886号 判決
本件引渡命令は競売法第三二条第二項によつて準用される民事訴訟法第六八七条に基づいて発せられたものと解せられる。控訴人は、引渡命令の目的物の引渡を妨げる権利を有する第三者は、これを主張して民事訴訟法第五四九条の、第三者異議の訴により、その執行の排除を求めることができると主張する。しかし不動産引渡命令は債務名義たる性質を有するものではなく、強制執行の方法にほかならないと解するのを相当とするから、この命令に対して、不服を申し立てるには、まず民事訴訟法第五四四条により異議を申し立て、その異議申立却下の裁判に対して同法第五五八条による即時抗告を申立てる方法によるべきである(大審院大正一〇年九月一九日決定、昭和七年一〇月四日決定参照。)したがつて、民事訴訟法第五四九条の第三者異議の訴により提起した本訴請求は不適法として却下すべきである。
(二宮 千種 渡辺一)